日時:2022年3月6日(日曜日) 13時から15時
場所:Zoomによるオンライン開催(講演や防災用品展示、誘導体験は、リアル会場にて実施)
リアル会場:畑コミュニティセンター
テーマ:災害時こそバリアフリー <千葉市花見川区 地域づくり補助金対象事業>
参加者:60名(リアル30名、オンライン30名)/うち、視覚障がい者6名
〈会場の様子〉
①挨拶・参加者紹介
(13時03分)
・挨拶及び本日の予定オリエンテーション(山本、奥山、國吉様、沢村様)
◆講習概要
・防災講演(青木様)
・防災用品について(山本さん)
・誘導体験
・IT講座
②講演 (講師:流山子育てプロジェクト 青木 八重子様)
(13時07分 から13時59分)
講師:青木 八重子 様
流山子育てプロジェクト
①経歴紹介
・防災についての講演(防災寺子屋sole!)
・子供のいる世帯向けの防災ハンドブックの作成、有償配布
など
〈講師の青木様〉
②住居の防災対策
・一番大事なのは災害時にけがをしないこと。いざというときに救急車は来ないし、病院も骨折程度は診てくれないかもしれない(重傷順に診る)。
・寝室の防災ポイント:下敷きになることを防ぐ(阪神大震災や中越地震は圧死が多かった)。
①タンスと天井の隙間を埋める。転倒防止の突っ張り棒が理想だが、段ボールをはめておくだけでもある程度防げる。
②ガラスの飛散防止を行う。飛散防止フィルムが理想だが、厚めのカーテンをしっかりと閉めて寝るのも効果的。
③照明は落ちてもけがをしない、簡便で軽いものにする。
④タンスなどの引き出しにロックをかけておく。
⑤寝室のテレビやラジオは固定するか、頭に当たっても痛くないものにする。
・リビングの防災ポイント:行動をあらかじめ決めておく。
①テーブルの下にもぐってみて、安全を確保できるかやってみる
②子供のいる家庭では「ダンゴムシのポーズ(頭と首を守るようにうずくまる。小さい子供に対しては親子が向かい合わせになるように正座し、正座した親の膝に子供の頭を載せる。そして親が覆いかぶさるように伏せる)」を取れるように、日ごろから遊びの中に取り入れる。
・キッチンの防災ポイント:何も考えずにキッチンから出る。
①最近のガスコンロは一定以上の揺れがあると止まる仕組みになっている。火を止めに行こうとするとかえってやけどする可能性があるので、とりあえず離れる。
②揺れが収まったら長袖長ズボンに靴、手袋(革手袋がよい。なければ軍手でも可)の装備で片付けに行く。
③キッチンは日ごろから整理しておく。食器棚にズレ防止のゴムマットを敷くのもよい。
・風呂・トイレの防災ポイント:ドアを開けて逃げ道を確保する。重いものを置かない。
③被災時の備え・行動
・アルミシートをカバンの中に常備しておく。毛布代わりになり、体温を保つことができる。
避難所に食料はあっても毛布がないこともある(5人で1枚とか)。
・口腔衛生を保つ。
口の中が汚いと感染リスクを高める。歯を磨いたり口をゆすいだり、ガムを噛んだりする。
・高齢者や臨月の妊婦、障がい者など早めに避難をしたい場合は福祉避難所やコミュニティセンターへ。学校は避難所開設前には避難できない。
・避難所は住めなくなった人が行く場所と考える。自宅が無事な場合は自宅避難がよい。
・家庭にもよるが、冷凍庫のものを食べる⇒冷蔵庫のものを食べる⇒常温のものを食べる、でだいたい1週間もつといわれている。
耐熱性のポリ袋に食材と調味料を入れ、ゆでる真空調理法がおすすめ。白米も炊けるしプリンも作れる。
・非常食は通常の食料を食べつくした後に食べるもの。美味しいもの、食べてにっこりするものを備えておく。のどが渇くので濃い味のものはあまりお勧めしない。また、お菓子も備蓄するとよい。
④おすすめ防災アイテム
・ラジオ
・携帯の充電器(ソーラーがおすすめ。手回しは疲れる)
・カイロ
・トイレットペーパー
・水のいらないシャンプー
・体拭き、お尻ふき
・マスク
・ハンドジェル
・ウォーターバッグ
・ベビーカー、シニアの買い物用カート、キャスター付きバッグなど(水を運ぶための手段)
・クシ
・スプーン
・メモ
・ペン
・当座の食料(ゼリー飲料・カロリーメイトなどあまり咀嚼音や匂いの出ないもの、飴、氷砂糖)
・着替え(衣類用の圧縮袋に入れるとよい)
・毛布(フリースタイプがおすすめ)
・キッチンバサミ(食料を分けるのに使用)
・雨合羽(雨を防ぐだけでなく、衣類の下に着ると防寒にもなる)
・健康保険証、お薬手帳、母子手帳のコピー
・晒(おんぶ紐、抱っこ紐、怪我した人を担ぐ、防寒、包帯などの代わりになる。青木様は藍染めした半反の晒をマフラー代わりにしていた)
③誘導体験(奥山)・防災グッズ紹介(株式会社グリーンケミー 岩梨様、山本さん)
(13時59分 から13時34分)
①誘導体験(奥山)
・目隠しして椅子の周りをまわってみる体験
⇒結構怖い。急に押したりひっぱったりすると怖い、ということを体感
・段差や溝、狭い道の誘導方法をレクチャー。
・段差はつま先ギリギリまで行く。段差の先に溝がある場合はまたぐ前に案内。またぐ1歩目は後ろに重心かけたままで。
・短い段差は確かに誘導するのが難しいが、災害時塀が倒れていたり垣根が倒れていたり、街路樹の枝が重なっていたりする状況はだいたいこんな感じ。
〈誘導体験の様子〉
(晴眼者の目の周りにマスクをしてもらい、その場で2回転。目の見えない状態を体験。)
②防災グッズ紹介(株式会社グリーンケミー 岩梨様、山本さん)
・防災食品やファイアレスヒーターの実物展示(株式会社グリーンケミー 岩梨様)
オンラインショップや全国のカインズホームで取り扱っている。
・100円ショップでそろう防災用品(山本さん)
革手袋、火打石、アルコールランプストーブ、水タンク(太陽熱で温め、シャワーに使えるよう黒い袋のもある)、台所アルミシート(ウレタン。クッションになる)
④IT講座(米井さん)
(13時34分 から14時58分)
①Yahoo!防災(防災速報)
・Yahoo!防災(防災速報)の操作説明。
・ハザードマップは読み上げに対応していない。家族とハザードマップを見ながら会話するとよい
②Seeing AI
・読み上げアプリ。オフラインでも動作する(読み上げ精度はオンライン時より劣る)。
・掲示物のあたりをつけ、支援を求めることができる。
③TFcam
・撮りたい対象物を選択し、ブザーが鳴ったときにシャッターを押すとある程度間違いのない写真が撮れる。目が見えなくても自力で写真を撮れるアプリ。
・うまく使いこなせば災害時の保険申請などに必要な家の様子を収められるかも。
⑤個別対応
(14時58分 から15時06分)
・アプリのダウンロードなど。App storeが見つからない人もいた。
・「Yahoo防災速報」アプリを初めてインストールする際、Yahooのアカウント設定の一部なのかもしれないが、支払方法を選択させると思われるメニューが表示されて立ち往生した。
・位置情報などはすべて同意する。いらないと思ったらアンインストールすればよい。
・見えない人、健常な人みんなでマップを見たり災害時の話をしたりするとよい。
・千葉市の災害ポータルサイトについては、ハザードマップのリンク先が大変深いところにあり、健常者でも見つけにくい。
・ハザードマップの見方使い方についての解説が丁寧に行われていない。
・視覚障害者が見たときに音声で検索がうまくいかない(サイト内の選択メニューが画像だけの箇所があり、リンクの中身が音声読み上げされずメニュー選択して先に進めない)
(会場にて アプリを参加者同士援助しながら操作している様子)
⑥次回案内
(15時06分 から15時10分)
◆次回の案内・今後の予定
※来年度以降は未定です。次回の開催が決定次第メールやWebサイト上でお知らせいたします。
・リアル会場の方は非常食のお土産があった。
◆感想
・防災のことをやっているが、今回のような企画はなかった。視覚障がい者の誘導は全然わからなかったので、いい体験になった。
・今回は2回目。聞くたびにためになる。この講座の前に安全確認訓練を行ったが、とにかく毎回行うことが大事だと思った。コロナ禍でもやるべきことだと思った。
・防災のリュックサックや非常食などの対策を家で行っていなかったので勉強になった。どういうのが必要かまた機会があれば参加したい。
・Zoom参加。青木先生の避難時の必要事項、持ち物は大変参考になった。
誘導体験は音声が小さかったが、会場内の様子はわかった。
米井先生の防災アプリの件、ハザードマップの件、TFcamの件どれも興味深かった。
中でもTFcamは特に災害時、周りの様子が分かると不安も軽減すると思った。
防災グッズの情報として、下着洗濯バッグが新聞に掲載されていた。機会があれば共有したい。
・避難所である体育館をそのまま使っているため、とても寒かった。
主催者・事務局から
・参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、ご支援ありがとうございます。
以上