日時:2022年1月29日(土曜日) 12時から15時
場所:Zoomによるオンライン開催(講演や防災用品展示、誘導体験は、リアル会場にて実施)
リアル会場:千葉市社会福祉協議会 中央区事務所・中央区ボランティアセンター 活動室(きぼーる15階)
テーマ:災害時こそバリアフリー <千葉市中央区 地域づくり補助金対象事業>
参加者:26名(リアル11名、オンライン15名)/うち、視覚障がい者6名
①挨拶・参加者紹介
(12時05分)
・挨拶及び本日の予定オリエンテーション(奥山)
◆講習概要
・防災講演(加納様)
・防災用品について(山本さん)
・誘導体験
・IT講座
②講演 (講師: (特非)ディープデモクラシー・センター副代表理事 加納基成様)
(12時07分 から13時00分)
講師:加納基成 様
特定非営利活動法人ディープデモクラシー・センター 副代表理事
災害支援ネットワークちば(CVOAD)代表
千葉南部災害支援センター センター長
ちば居住支援センター センター長
①経歴紹介(特定非営利活動法人ディープデモクラシー・センターの活動経歴)
・地域で対話の場を作り、話し合いのための方法を学ぶ
・ホームレス支援(医療相談、生活支援)
・中学生に「家を失うことについて」のワークショップを実施
・障がいのある人の地域暮らしサポート、同行支援
・住宅確保用配慮者に対する在宅支援
など
<講師の加納様>
<講義スライドより>
②「防災」
・災害には地震や風水害などの「自然災害」と原発事故や火災などの「人為災害」の2つに分けられる。
・高度経済成長期は大きな災害もなかったが、近年は「被災地」もたくさんある。
・災害時の要配慮者:高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、傷病者、日本語が不慣れな外国人、土地勘のない観光客、地域とつながりのない一人暮らしの人、社会的弱者など
*防災ポイント(令和元年台風被災の実体験に基づく)
・ハザードマップを活用し、被害の出る箇所をあらかじめ把握しておく。
ハザードマップポータルサイト(国土交通省):https://disaportal.gsi.go.jp/
川の防災情報(国土交通省):https://www.river.go.jp/index
・ブルーシートは窓の補修や家具の保護、天井の養生といった「屋内養生」に使用する。自治体から配布されるブルーシートは薄くて屋根の養生には向かない。転落の危険もあるため、屋根の養生はボランティアセンターの方に任せる(数日経てば来るので)。
※ブルーシートには「番号」があり、番号が大きくなるほど分厚くなる。2000番以下は薄くて役に立たない(2000番を使用するならば2枚重ね)。ちなみに一番分厚い4000番は青ではなく銀色。
・発電機は用意しておくべき。光ファイバが無事ならばルーターに電源を挿せばインターネットが使える。
※ただし最近のお風呂の湯沸かし器は、電源があっても水道が止まっていると使用できない(逆流防止で水道に圧がかかっていないと着火しない仕組みになっている)。
②防災用品について(山本さん)
(13時00分 から13時30分)
・会場には自立するテントが用意されていた。
・非常時用のトイレも市販されているが、自宅であれば便座も使用できる。便座にポリ袋を二重にはめ、中側のビニール袋にペットシートや新聞紙などを入れる。1回ごとに中身をいれかえる。
・非常時こそおいしいもの、これを食べれば元気になるものを備蓄しておく。常温でそのまま食べられるレトルトカレーなど。1回くらいは冷たい状態で食べてみる。
・個包装の菓子は手が汚れていても分けられる。
・山本さんの常備品:首にかけるライト、食器棚に敷くようなウレタンシート(じかに座るより暖かい)、大小さまざまのポリ袋、ペットシート、シニア用パッド(ペットシートもシニア用パッドも緊急時のトイレ用)、水、ウエットティッシュ、羊羹やチョコレートなど食べ物、ガムテープ、油性ペン、アルミシート(静音タイプ、裏地付き)
・ペットボトル(温かい飲み物用)に湯を入れ、古い靴下をはかせると湯たんぽになる。普段使いもできるのでおすすめ。
◆質問・感想
*感想
・令和元年台風のときは20日近く停電した。自治体の中で若手の人が高齢者に「うちは自家発電あるからおいで」などといって声をかけ、家で一緒に過ごした。人の支え、ここに行ったら安心できる場所があるのは重要だと思った。
*質問
・目の不自由な方は避難所の掲示物が見えないと思う。ガイドに読んでもらったりアプリ使ったりするのか。
⇒誰の助けもないと周囲にぶつかりまくると思う。そして読み上げソフトで文字のかけらを引っ張り出そうとする。Siriはオンラインじゃないと受け付けない。
・ローリングストックで何かいいものはあるか。保存食といえば魚肉ソーセージや缶詰くらいしか思いつかない。
⇒レトルトのカレーやパスタソース。サバの味噌煮缶詰などもおいしいものがあるので「晩酌セット」として備えておくのもいかがだろうか。
備蓄というより、保存のきく普段の食べ物を用意しておくがよい。乾パンは食べづらいので、自宅で備蓄するなら普通のビスケットやクラッカーがおすすめ。
カップラーメンも水に20~30分つけておくと戻る。また、普通のティーバッグも水に30分くらいつけておくとお茶が出る。話の種と心の準備に試してみてはいかがだろうか。
⓷休憩・体操
(13時30分 から13時40分)
ストレッチを行った。
④誘導体験
(13時40分 から14時00分)
※まずマスクで目を覆って白杖を使用した歩行体験を行い、その後誘導体験を行った。
・白杖は鉛筆を持つように持ち、左右の2歩先を探る。
・白杖を持つ手の反対側に立ち、肘をつかんでもらうのが基本姿勢。ガイドは半歩前に立つ。
・狭いところは後ろに手を回し、縦一列になって進む。
・段差はガイドが先に上る。
・今回は「避難所に張られたテント」を想定。そのテントが開いているか閉まっているか、屋根はどこかなど、テントの状況も説明する。
・「右に曲がる」は直角に曲がるイメージ。緩やかに曲がるときは「斜め右に行く」などと声をかけるとよい。クロックポジションを使い、「○時の方向」と案内してもよいが、日本人的にはあまりなじみがないかも(机の上の配置を説明するときはクロックポジションが有効)。
⑤IT講座(米井さん)
(14時00分 から14時40分)
・Yahoo!防災(防災速報)の操作説明。
・避難地図は音声読み上げをしないと思われたが、読み上げた。場所の名前さえわかればGoogleマップを使用してルートを調べることができるのではないか。⇒1つのアプリで完結しないのが残念
・防災速報アプリではハザードマップがわからなかったため、千葉市防災ポータルサイト(https://www.city.chiba.jp/bosaiportal/)を調べてみた。
◆質問・感想
*感想
・画面共有をしながら見える人にガイドしてもらう説明の仕方は有効だと思った。目で見て初めて分かることもあるので(今回も千葉市のハザードマップを確認するときに、音声だけでは把握できず、「今何のページか」「求めている情報はこのページにあるか」を見える参加者にガイドしてもらった場面があった。本当は音声だけでも目当ての情報にたどり着けるのが理想)。
カメラの前にiPhoneの画面を映すとぶれてしまうので、画面共有がよい。
*質問
・オフラインで使える読み上げアプリはあるか。
⇒最新のiOSであればカメラ機能。カメラを向けると「テキストがある」などと音声で教えてくれる(※次回以降検証テーマ)。
⑥次回案内・ワイワイトークセッション
(14時45分 から15時00分)
・「手伝いましょうか」と声をかけると上から目線な気がして断られそう。声のかけ方にコツはあるか。
⇒「何かお手伝いできることはありますか」はいかがだろうか。「困っている」と言いづらいこともある。どこにいてどっち向いているかがわかればそれでいいというときもある。
断られてもめげないことが大事。
・読み上げアプリだけだと「商品札はあるけど売り切れているおにぎり」が識別できない。Be my eyesでコンビニのおにぎりを読み上げてもらったが、欲しいおにぎりがなかったので訊いてみると「その棚空です」といわれたことがあった。
<会場の様子>
◆次回の案内
3月6日(日曜日)13時から16時まで(12時30分受付開始)
場所:畑コミュニティセンター(花見川区)体育館とZoomのハイブリッド
主催:花見川区バリアフリーに災害を考える会
(メジカラネットと株式会社京葉美装による実行組織)
<千葉市花見川区地域づくり補助金対象事業>
◆今後の予定
※次回の開催が決定次第メールやWebサイト上でお知らせいたします。
主催者・事務局から
・参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、ご支援ありがとうございます。
以上